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2020.5.15

「常に満足できない人生だからこそ、医師として貢献の枠を広げていきたい」医師の副業やこれからの働き方の考え方とは(インタビューNo.1:木村好珠)

今回、タレントドクター企画として、専門医取得を目指す医師の立場からスポーツ業界・メンタルケア・テレビや雑誌など様々な場で活躍する木村好珠先生のインタビューを実施。

幅広い活動においてメディアやTwitterなどで注目を集める木村先生の普段の仕事内容や、現在に至るまでの転職事情に迫りました。

 

木村好珠(きむらこのみ)

日本女子大学附属高等学校卒業後、東邦大学医学部卒。都内大学病院にて研修医を経て、精神神経科に進む。現在は、専門医取得のため東北の精神科病院に勤務する傍ら、産業医、健康スポーツ医として活動。大人のスポーツメンタルと共に、育成年代のスポーツを通したメンタル教育の普及に積極的に取り組んでいる。

 

【医学部と芸能活動を必死で両立した経験が、現在の勤務医+副業の活動に繋がっている】

――さっそくですが、先生の現在の働き方について教えてください。

 

現在は、東北の地方病院に転職して2年以上経つのですが、その東北の病院と静岡県にあるクリニック、都内の3ヶ所で産業医として働いています。

もともとは、後期研修修了後に某私立大学病院の精神科に入局したのですが、その病院では芸能活動や副業に対する働き方の希望や考え方が病院側と合わなくてすぐに辞めてしまったんですよね。

その後、別のクリニックで働いていたのですが、精神科医の専門医資格を取りたくて現在の病院に転職しました。

 

――いわゆる正社員(常勤医)として働きながら副業をされているということですね。

普段はどのようなスケジュールなんですか?

常勤医、非常勤医、情報発信活動、スポーツ選手のメンタルケアが主な仕事です。

 

スケジュールとしては、精神科医の専門医資格を取りたいという目標もあって、メインは東北の病院で常勤医として週4日出勤しています。他の空いている日程で静岡のクリニック、山形の病院での当直、都内で産業医をしています。

合間を縫って、SNSで発信をしたりときどき番組出演や雑誌、Webサイトの取材を受けたりしています。

あとは、ブラインドサッカーチームへのメンタルケアなども行なっていますね。

 

――とても精力的に働かれていますね…!やりたいことがたくさんあるといえば、先生は医学生時代、芸能活動も積極的にされていましたよね。

 

医学部同士のコミュニティって、結構外部に対しては閉鎖的な部分があるんですね。だから、色々な情報もキャッチできて視野も広がると思い、芸能活動を大学生の頃からはじめました。

現在ブラインドサッカーに携わっているのも、芸能活動をしながら新しい人や情報に出会えたからです。SNSで1万人以上の方々に発信を行えているのも、芸能活動を通して世間に自分のことや考えをアウトプットする練習ができたことが生きているなと思います。

 

――現在マルチな面で活躍されているのには、過去の芸能活動経験が大きく影響されているんですね!

でも先生のような医学生は珍しいですよね。芸能活動をはじめたとき、周囲の反応はどうでしたか?

 

決していい反応は多くなかったですよ。笑

医学部にいた時点で芸能活動をしている人はほとんど居ないですし。でも大学の先生の理解はあって、医学生としてやることをやってくれていれば応援するよと言ってくれていました。

自分でも、好きなことをするからにはどっちも頑張ろうと思って、大学での成績は意地でも落とさないよう努力しましたね。

 

【精神科医として副業でもスポーツ業界に貢献できることをしたい】

――木村先生は現在、日本メンタルヘルス協会に所属し、ブラインドサッカーチームや、レアル・マドリードの日本チームに対してメンタルアドバイザーをされていますよね。

 

はい。昔からサッカー観戦が好きなこともあり、医師としてスポーツに関わりたい気持ちが受験生の頃からずっとありました。

医学部受験当時はもう10年以上前で、まだまだスポーツに対しては根性論が残っていたんですね。しかし、昔からスポーツを観ていた中で、スポーツ選手のメンタルってただ単に根性だけでは解決できないもっと大切なものがあると考え、精神科医としての知識を持った医師ならより貢献できるのではないかと考えていました。

 

それで、私のキャリアの転機にもなるのですが、2019年から本格的にブラインドサッカーのメンタルアドバイザーをさせていただいています。

 

また、サッカーでも素敵な機会をいただき、世界的な強豪チームとして知られるレアル・マドリードの日本国内サッカースクールのメンタルアドバイザーも務めています。昨年はスペインの練習場でレアルのジュニアユースのメンタルコーチと意見交換をさせていただきました。

 

今後もスポーツ競技者へのメンタルケアサポートを専門で行う医学分野において、より重要性を発信して注目されるようにしていきたいと考えて活動をしています。

 

――勤務医という立場でハードな専門研修を受ける傍ら、メンタルケアではメジャークラブから必要とされるほどのニーズがあり、夢へのステップアップも着実にしていて、本当に努力されながら積極的に活動されているんですね。とても素晴らしいと感じます。

 

【常勤医はもっとフレキシブルに働いてもいい】

――いわゆる正社員の常勤医師でありながら、副業・スポーツチームへの支援等を両立するのは難しいのではないかと思われる方もいると思います。木村先生は、そのあたりについてはいかがですか?

 

はじめから色々やってみたい気持ちが強かったので常勤医として両立することに迷いはありませんでした。

 

どんなに忙しくても、一日の中で多少の時間はつくれるはず。

自分で時間を作り出す事ができれば他にもやりたいことをできるので、両立できるか迷うならまずは無理矢理でも行動してみるのが良いですね。

専門職だからって働き方を限定する必要はないですし、もっとフレキシブルに活動をして良いと私は感じています。

医師として活動の幅をより広げられる環境は、探せば必ず見つけられると思います。

 

――ここまでお話を聞いただけでも、生き生きと働かれている熱量が非常に伝わってきます。

それでも仕事環境に不満や悩みはつきものだと思いますが、いままでそういったことを感じたことはありますか?

 

現在は副業も可能な病院で常勤医として働かせていただいているので特に大きな不満はありませんが、それまでは副業やタレント活動への理解があって、希望条件を叶えてくれる職場を探すことが特に大変でした。

 

 

――副業ややりたい事に時間を使うなら非常勤医師での働き方のほうが融通が利くと思う方も多いのではないかと思いますが、先生は常勤医師として勤められていますよね。それはなぜですか?

 

大きな理由は、精神科医の専門医資格を取るためです。

 

それから、私は非常勤のみで働いていた時期もあるんですね。だから正直に比較すると、常勤のほうが仕事や給与面で安心・安定しているというメリットもあります。

 

もちろんそれぞれの人に合った働き方の形態はあると思うのですが、私の場合は非常勤だと生活や仕事のことで精神的に不安定になることが結構ありました。

精神科医が不安定だと患者さんを診ることなんてできないので、自分自身を安定させることが大事だと思ったことも理由のひとつですね。

 

 

――希望条件に合う病院はどのように見つけたのですか?

 

私の場合は、最終的には知り合いの紹介で転職しました。本当にたまたまだったんですけれどね。

 

ただ、お給料や待遇など働く環境がはじめから提示されているという点では転職サイトも参考にしました。

信頼している知り合いの紹介は安心できるのですが、勤務条件などは後出しになってしまうし、正直聞きづらいところもあります。

なので、事前に転職サイトなどのサービスも使っておくと、十分に情報収集をしたうえで病院を選べるので入局後のギャップをなるべく減らせますよね。

 

――確かに狭い世界ではあるので、職場環境を変えるにあたり情報収集などは慎重に進めていくお医者様も多いですよね。

ちなみに、地方の病院のほうが条件の融通が利きやすいのでしょうか?

 

一概には言えませんが、過疎地域などは医師が不足しているため、条件が良い事が多いです。

常勤で副業OKだったり、お給料や待遇など希望条件に合う病院が比較的多い印象ですね。

 

もう一つ、地方病院で働いて良かった点はあって、幅広い業務をこなす必要があることから医師としての経験値もかなり積めると思いました。

 

地方病院は基本的に医師が少ないので、患者さんに対してマルチに対応できないとだめなんです。実際に私は精神科医ですけど場合によっては内科医として患者さんを診療することもあります。

他にも、首都圏の病院だと器具や薬が充実しているのですが、地方病院だと必ずしもそうじゃなかったり、不足したりする事もあります。

大学病院も医療技術が最先端だと言われていますが、中にはそうじゃない病院もあるのは事実で、そういった環境に鑑み、患者さんのためにどう対応すべきか?と考えながら医師として日々学んでいます。

 

【働き方の理解を得るポイントは、紹介先の病院へ正直な気持ちを話すこと】

――自分の希望条件に対して、病院側の理解を得るポイントはどのようなところにありましたか??

 

まずはとにかく自分の希望を素直に伝えることだと思います。

それから、人にたくさん相談をすること。

私の場合は都内ではなかなか見つけられず、地方の先生に相談して、初めてここなら自分の話を聞いてくれる!という病院に出会えました。

 

自分と似た経歴の人に意見を聞いてみるのもいいでしょうし、あとは転職先候補の病院の人事や事務長だけじゃなくて、病院長や現場で働いている方の意見も聞けるといいですよね。

 

もしそれが自分ひとりでやるのが難しそうだったら、病院とのパイプを作ってもらえる機関、それこそ転職サイトや専門の転職エージェントに相談する事でスムーズに決まるかなと。

 

例えば、私が知るところでは、

エムスリーキャリアさんがあります。大手ですし、医師の間では知名度も高いのではないでしょうか。

医療業界に特化したエージェントなので病院情報や業界動向に詳しいだけでなく、希望条件や悩みについてなどすごく親身に対応してくださる印象があります。

 

とにかく、自分の希望が叶えられそうかどうかを直接確認できる場というのは必ず作るべきだと思います。

 

――事前の情報収集や、業界理解のある専門サービスへの相談の際に自分の希望を明確に伝えるという事がポイントなんですね。

 

【大きな病院が正義ではない。自分のやりたい事を貫けるかどうか】

――現在の働き方には満足されていますか?

 

毎日充実していてとても楽しいのですが、満足かというとまだですね。笑

もっとスポーツ業界に医師として関わっていきたいし、メディアの仕事も増やしていきたいし、他にも挑戦したいことがたくさんあります。恐らく、常に満足することは無いかもしれません。

 

 

――とても素晴らしい事だと思います!今後のキャリアについて目標はありますか?

 

やはり、スポーツ選手へのメンタルケアサポートの分野で活動を広げていきたいですね。

大人のプロスポーツチームはだんだん広がってきていますが、今後は子どもにもスポーツを通じてメンタル育成などできると思っています。

 

 

――ありがとうございます。最後に、キャリアやこれから挑戦をしていきたいと考えている医師の方に対してメッセージをお願いします!

 

現在はインターネットやSNSもあって、人に自分から相談やアプローチがしやすい時代だと思うんです。

だから現状に不満があるなら、とにかく生き方に共感できる人や業界に詳しい人に会いに行って話を聞いてみるということをしてみてください。それが難しいなら、匿名で申し込めますし、

転職エージェントに相談してみるのもいいのではないでしょうか。方法はいろいろあると思います。

 

とにかく、自分がやりたいと思ったことがあったら、是非貫いてください。

大きな病院に勤めている方は周りから色々なことを言われることもあるかもしれないけれど、大きな病院だから必ずしもそれが正義というわけではないと思っています。

 

現在の環境でしたいことができないのなら、自分がやりたいことを本当にできる病院を選んだほうが絶対に良い!希望条件に合う病院は探せば絶対あると思います。

 

――木村先生、貴重なお話を聞かせて頂きありがとうございました!

 

今の自分の生活に満足ができていなかったり、不満があったり、違和感があったりするなら、まずは環境を変えてみることを考えてみませんか。

 

エムスリーキャリア

 

医師にとって必要な情報収集や相談などのサポート、希望条件に合う病院の紹介は、業界に特化した専門エージェントだからこその安心があります。

自分ひとりでは不安という人は、是非、活用してみてくださいね。

 

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